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2013年12月13日

盲目の琵琶法師

道草百人一首・その3
「これやこの 行くも帰るも別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」(蝉丸)【10番】
盲目の琵琶法師

 逢坂の関は、近江と山城との境に設けられた古代の関所があった所。境界の場であり、無縁の人々がたむろしていた。異形なる人々の偶像が、盲目の琵琶法師「蝉丸」。
 蝉丸は醍醐天皇の第四皇子として生まれるが、幼少の頃から盲目であった。天皇は、蝉丸を逢坂山に捨てるよう命ずる。 捨てられた蝉丸は、琵琶を抱き、杖を持ち、逢坂山の関に住む。
 「行く・帰る」「知る・知らぬ」「別れ・逢う」。三つの対句を駆使したこの歌には、万物流離・会者定離の無常思想が流れている。「逢う坂」は、私たちの人生の出会いと別れの場である。



Posted by biwap at 06:36 │道草百人一首