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2022年10月04日

プーチンかく語りき

プーチンかく語りき

 ウクライナ東部・南部「ドネツク、ルガンスク、ザポロージャ、ヘルソン」が住民投票の結果、ロシアへの編入を決定した。かの朝日新聞は「ロシア、4州強制併合」と報じた。
 何が真実か、その全体像をつかむことなど不可能である。でも少なくとも、一方的な報道には少し立ち止まり、その背景を探り、違う意見も考慮しながら、合理的な判断を一つ一つ積み重ねていくことはできるはずだ。
 西側からの一面的報道と同じように、これも一種のプロパガンダであることは間違いない。でも、メディアが封殺したものの中に別の真実が隠れていることもある。以下、ロシア連邦加入調印式典のプーチン大統領のスピーチの一部を抜粋する。

プーチンかく語りき

<ロシア国民の皆さん、ドネツク・ルガンスク人民共和国の皆さん、ザポロージャとヘルソンの皆さん、ロシア下院議員およびロシア連邦上院議員の皆さん。
 住民投票が4州で行われ、集計結果が発表されました。人々の想いは明らかです。
 今日、ドネツク、ルガンスク、ザポロージャ、ヘルソンの4州がロシア加盟する条約に署名します。ロシア加盟の手続き、そしてロシアにおける新しい4州の立ち上げの法整備について、連邦議会がこれを支持する事は疑いようがありません。
 何故ならそれが何百万人もの人々の想いだからです。
 これは国連憲章第1条にある「人民の同権および自決の原則」つまり人々の基本的権利に当たります。
 繰り返します。人々の基本的な権利とは
 私たちが歴史的に受け継いできたものに由来します。古代ルーシの時代からロシアを築き、守り続け勝ち取った権利です。
 2014年、ウクライナで起こった”ロシアの春”においてネオナチによるクーデターに異論を唱えて死んでいった人たち、母国語と文化、伝統、宗教などの人権の基礎を守ろうとした英雄たちも歴史に刻まれるでしょう。

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 ドンバスの兵士や、ウクライナ政権によるテロ攻撃が引き起こしたオデッサの悲劇の犠牲者たち、ボランティア、民兵、市民、子供、女性、お年寄り、ロシア人、ウクライナ人、様々な国の人たち。
 ドネツク、ルガンスク人民共和国、ザポロージャ、ヘルソンの何百万人もの人々の選択は、ロシア1000年の歴史と共に歩むことでした。人々は子供に孫に魂を繋いでいきます。人々は厳しい試練に耐えながら、ロシアへの愛を持ち続けた。この想いは誰にも破壊できない。それがお年寄りも、ソビエト崩壊後に生まれた若い人たちも同様にロシアとの統一、ロシアとの共通の未来を望んだ理由です。

プーチンかく語りき

 8年と言う長い間、ドンバスの人々は虐殺に晒されました。閉じ込められて砲弾を浴び続けたのです。ヘルソンとザポロージャでは、ロシアのすべてに対する憎しみを増強するための刑法が施行され、それは今でも続いています。住民投票の間ですらウクライナ政権は学校の先生や、投票管理で働く女性を報復として殺すと脅されました。人々が投票と言う形で気持ちを表現する事をウクライナ政権は脅かしたのです。しかしドンバスとザポロージャ、ヘルソンの人たちは屈することなく声を上げました。
 ウクライナ政権と、彼らを動かしている西側に聞いてもらおう。
 覚えておいてください。ルガンスク、ドネツク、ヘルソン、ザポロージャに住む人々は、ロシア国民になりました。永遠に。

プーチンかく語りき

 ウクライナ政権に即時停戦と敵対行為の停止を訴えます。2014年に始まったこの戦争に終止符を打って和平協議に戻りましょう。何度も言ってきましたが、私たちは準備ができています。ただし、ドネツク、ルガンスク、ザポロージャ、ヘルソンの人々については話し合いません。すでに結果は出ました。そしてロシアは人々の気持ちを裏切りません。
 現在のウクライナ政府は人々の希望を尊重しなければならない。他に方法はなく、これが平和への唯一の道です。
 破壊された街や村は、住宅、学校、病院、劇場、美術館などすべて再建します。産業、工場、インフラ、社会的安全、年金、健康保険、教育機関などすべて復興します。
 特に安全の向上は力を入れていきます。そして今回新たにロシアに加わった皆さんには、ロシア国民・連邦全土、共和国、領土、州、すべての支援を感じていただけるでしょう。

プーチンかく語りき

 ウクライナにいる我々の同胞、仲間は欧米と言う支配者クラスが人類に対し何の準備をしてきたのか、その目で見たでしょう。彼らは仮面を外し、何者であるのか正体を現しました。
 ソビエト連邦が崩壊した時、西側は今後全世界が彼らの要求をすべて聞くと決めつけました。1991年西側は、ショックで粉々になったロシアが二度と国力を取り戻すとは思わなかった。実際その通りになりました。1990年代、私たちは空腹で寒く、希望も無かった。しかしロシアはかろうじて自分の足で立ち、息を吹き返し、さらに強くなって、世界のあるべき場所にたたずんでいる。
 その後も西側は何度となくロシアを吹き飛ばし破壊する方法を模索してきました。ロシアの分断、内紛、貧困と絶滅を夢見ているのです。何故なら彼らは知っています。我々が世界でも巨大な領土を持ち、自然と資源の豊かな国であり、ここに住む人は人の賭けに乗らない人々である事を。
 西側は新植民地主義を保つために平気で一線を越えます。ドルとテクノロジーによって覇権を握り、人々から貢物を受け取りながら、働かずとも繁栄するソースを持っている。最後に覇権者に流れるようになっているシステムがあるのです。
 そしてこのシステムの保持が、彼らの利己的かつ本質的な目的なのです。
 その為に彼らは世界の完全に”脱主権”に向けて突き進んでいます。それは彼らの攻撃性が向く方向を見れば容易に説明できます。
 彼らは、独立している国、特に伝統を重んじて独特の文化を持つ国に対し、国際的な競争力を失わせ弱体化を徹底的に行います。彼らのコントロール外である、独自の通貨や独自の技術も潰します。

プーチンかく語りき

 全世界の国々がアメリカへ主権を渡す事が彼らには最も重要なのです。
 一部の国では支配エリートが進んでこれに取り組み、喜んで家来になります。さもなくば、買収または脅迫です。
 そして買収と脅迫の効果が無かった場合、徹底的に国全体を破壊します。後に残るのは人道的危機、荒廃、廃墟、何百万人もの人の死、乱発するテロリズム、社会的災害、植民地、セミ植民地、彼らは気にしません。
 彼らが気にするのは利益だけです。

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 西のエリートたちは、自分たちが過去に犯した犯罪をよそに、例えば、植民地時代のことなど関係ないように振舞うよう強要します。
 この植民地主義は中世にまでさかのぼります。世界中で行われた奴隷貿易、アメリカ先住民族の虐殺。
 インド、アフリカからの略奪。
 イギリス・フランスの中国に対する戦争は、アヘン貿易の為に無理矢理中国に港を開けさせ、全国民をわざと麻薬中毒にし、動物のように人を狩り、一つの民族を絶滅させたのち、土地と資源を奪いました。
 人類の真実、自由、正義とまったく逆です。
 20世紀に入り、わが国では反植民地運動が始まりました。これは誇るべき流れで、世界の沢山の人々が貧困の減少、不平等の解消、飢餓と疫病を減らす事ができました。
 西側諸国は何百年も自由と民主制を国々に届けると言いながら、何一つ真実ではありませんでした。民主制を持ち込むどころか、抑圧して搾取した。
 そして自由を与えるどころか奴隷にし、迫害した。一極支配は本質的に反民主的、反自由です。そのすべてが嘘と偽善です。

プーチンかく語りき

 アメリカの独裁は、雑な軍隊の”ぶん殴りの法則”により保たれています。
 時として完全に隠されていますが、全く隠す事もなく堂々と行われる場合も要点は同じ”ぶん殴りの法則”です。世界の隅々まで何百もの軍事基地を保有し兵を配備しており、NATOを拡大、AUKUS(豪・英・米)や、米・韓・日の軍事チェーンも展開、もし独自の主権を主張しようものなら即座に覇権国から敵国認定を喰らいます。
 アメリカとNATOの軍事ドクトリンには、完全支配を目指している原理が隠されています。西のエリートは「平和」や「抑止力」などの言葉を使ってごまかしながら、新植民地計画を遂行しているのです。聞こえる言葉は常に変化していきますが、達成しようとしている事は一つ、主権を持つ国の政府を弱体化させる事。
 最近の「ロシア、中国、イランの抑止」と言う言葉は、誰でも聞いた事があるでしょう。今後このリストにはアジアの国々、ラテンアメリカ、アフリカ、中東が加わり、さらに現在のアメリカの同盟国も加わるでしょう。
 現在の新植民地モデルは完全に崩壊しています。これは明確です。
 しかし首謀者は最後まで同じ事を繰り返すでしょう。彼らは世界が望むことを理解できずに、脅しと略奪以外に方法が見つからないのです。

プーチンかく語りき

 世界は根本的改革の変化の時代に突入しました。新しい権力の集中が見られます。大多数!大多数の国々が、自分の方針を発信し、それを守る準備ができています。人々が多極的世界に見るのは、主権強化のチャンス、純粋な自由と歴史的ものの見方、自律性、創造性、個性的発展、協調性。
 私たちと似たような考えを持つ人々がヨーロッパにもアメリカにもいて、彼らのサポートを感じています。一極覇権に反対する開放的な反植民地運動が世界各国で起こっています。人々の想いは時と共に大きくなるでしょう。
 今私たちは公正で自由な道へ進みます。まずは自分たちのために、そしてロシアのために。独裁と専制は過去のものです。>



Posted by biwap at 09:38 │辛口政治批評