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2022年07月30日

飯盒でみる度量衡入門

飯盒でみる度量衡入門


 標準的な飯盒は米4合炊。本体に刻印されている線は、2合・4合で用いる水量の目安。蓋と中蓋も米の計量に使う。蓋が3合、中蓋が2合である。
1合(コメで約150g)は、だいたい一人分である。
1合=10勺(シャク)。柄杓(ヒシャク)で水を汲んだ時の容積が1勺。
1升(ショウ)=10合。約1.8ℓ。ペットボトル1本位、一升瓶。
1斗(トウ)=10升。樽の大きさ、1斗樽。
1石(コク)=10斗。つまり、1石=1000合となる。
 1回に食べるゴハンを1合弱とすると、1日3合。これに1年365日を掛け算するとざっと約1000合。つまり、1石になる。1石は、1人の人間が1年間に食べる米の量(米で約150kg)。
 江戸初期の石高が1700万石なら、1700万人位の人口があったのだろう。30万石なら、30万人。ところで日本人の一人当たり平均コメ消費量はどんどん落ち込み、1年間に57kg位になってしまった(0.4石)。

飯盒でみる度量衡入門

 ところで1回に食べるゴハンが1合だとすると1日3食で3合。この3合の米を取るには1坪の土地が必要だ。1坪は畳2枚分。この面積で、一人の人間が1日に食べるコメを生産する。
 1年だと365坪必要だ。この面積が一反。この面積で、一人の人間が1年に食べるコメを生産する。
 もっとも、豊臣秀吉の時代に1反は365坪から300坪に変わっている。米の単位当たり生産量も上がっているので、ざっとこんな目安か。
 平均的なコンビニの面積は30坪。この30坪は1畝(セ)になる。つまりコンビニは1畝である。

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 この10倍が1反(タン)。1反は300坪位。1反(10a=1000㎡)は、小学校の体育館位の大きさ。

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 10反が1町になる。1町はサッカーグランド位。

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 1反から1年間に食べるコメ1石が作られるのだが、現在は1反で3~4石位のコメが取れる。コメの消費量は半分以下に落ちているので、8人分位の年間コメ消費量が生産されることになる。
 日本のコメの作付面積は160万ヘクタール。年間収穫量は860万トン位である。石高にすると5733万石。1石は2人の人間の年間コメ消費量と考えると、日本の人口と合ってくる。
 元号などという非民主的・非合理的なものと違い、古い度量衡はけっこう便利である。