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2016年07月18日

明日へ

明日へ

 女性プロデューサー、女性監督、女性主人公、キャストもほとんど女性という社会派映画「明日へ」(2014年)。2007年、韓国で実際に起きた事件をもとに、過酷な労働環境の中でたくましく生きる女性たちの姿を描いている。ハリウッド大作がスクリーンを占拠する中、異例の興行成績を収め、大きな支持を集めた。
 大手スーパーマーケットのレジ係ソニ。夫は出稼ぎ。苦しい家計の中、家族のため懸命に働き、2人の子供を育てている。上司の嫌みや悪質なクレームにも我慢し、ようやく正社員への昇格が決定。しかしそんなある日、会社は現場の業務を外部に委託。非正規雇用者たちに解雇通達が下された。パートの女性たちは力を合わせて労働組合を結成。強大な企業を相手に解雇撤回の闘いを始めた。

明日へ

 韓国では、非正規雇用が全労働者の45%を占め、その半数は女性。格差社会、ワーキングプア。そうした社会問題に、ストレートに真正面から切り込んだ。たくましく生きる女性たちの姿が感動的だ。過酷な現実や苦悩を抱えながらも、凛としてそれを乗り越えようとする力がこの国の社会にはあるのかもしれない。

明日へ

 修学旅行中の高校生らを死なせたセウォル号沈没事故。多くの市民が抗議集会へ参加。日本では伝えられなかったことがある。彼らの怒りは、金儲けのためには人命をかえりみない「強欲経済」に向けられていたのだ。労働組合を既得権益の権化と揶揄する橋下型ポピュリズムのわが社会。果たしてそれは健全な姿なのだろうか?
 女性監督プ・ジヨン初の商業映画。原題は「カート」。



Posted by biwap at 12:35 │KOREAへの関心