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2015年04月28日

決戦「忍ぶ恋」

道草百人一首・その55 
「恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか」(壬生忠見)【41番】

決戦「忍ぶ恋」

 「恋しているという私の噂がもう立ってしまった。誰にも知られないように、心ひそかに思いはじめたばかりなのに」。 壬生忠見(ミブノタダミ)。 百人一首30番「有明のつれなく見えし別れより」の壬生忠岑(ミブノタダミネ)の子供。村上天皇の内裏歌合。お題は「忍ぶ恋」。百人一首40番「忍ぶれど色に出でにけりわが恋は」の平兼盛と固唾(カタズ)をのむ決戦。果たしてどちらに軍配が? なんと、天皇の「忍ぶれど・・」のつぶやきで、壬生忠見あえなく沈没。あまりのショックに食事ものどを通らず、ついに死んでしまったとか。
 「忍ぶ恋」といえば、山本常朝の「葉隠」。「恋の至極は忍恋(シノブコイ)と見立て候。逢いてからは恋のたけ低し、一生忍んで思い死することこそ恋の本意なれ」が有名。「武士道とは死ぬことと見つけたり」につながるこの美学。どうも私の好みではない。



Posted by biwap at 06:28 │道草百人一首