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2015年02月19日

待ち遠しい春

道草百人一首・その44
「山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば」(源宗于朝臣)【28番】

待ち遠しい春

 「山里では、とりわけ冬の寂しさが身にしみる。誰も訪ねては来ないし、草木も枯れてしまったと思うと」
 冬の寒さや心細さがひしひしと伝わってくる。それとも作者の心象風景でもあるのか? 
 源宗于朝臣(ミナモトノムネユキアソン)。光孝天皇の孫。皇族が増えるとさすがに費用が嵩(カサ)む。そこで皇子を臣下の地位に下げるのである(臣籍降下)。嵯峨天皇が皇子を臣籍降下させ、「源(ミナモト)」の姓を与えたのが始まり。天皇の孫・源宗于(ムネユキ)も臣籍に下った一人だ。地位が低く不遇だったらしく、自らの境遇を嘆く歌なども詠んでいる。春の息吹が待ち遠しい。



Posted by biwap at 07:57 │道草百人一首