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2014年07月23日

無垢へのあこがれ

無垢へのあこがれ

ピカソは子どもの頃、美術教師だった父親から厳格で正確なデッサンを仕込まれた。子どもらしい絵とは無縁の世界だった。ところが、パリの児童画展。子どもたちの絵を見たピカソに衝撃が走った。無垢なもの。そこには、何ものにも束縛されない自由があった。最高の絵画技術を身につけた大芸術家ピカソ。無邪気で不器用、純真で無垢、そんな子どものような絵を描くことなどできるはずがない。それでも、欲しいものを手に入れようと駄々をこねる子どものように、ピカソは無垢を欲した。自由な世界を求め、自らを解放するため。パブロ・ピカソ作「ピアノ」(1957年)。1964年、京都でピカソ展が開かれた。その時に買ってもらった複製画を、大切に自分の部屋に飾った。それが、この絵だった。もう、50年前のこと。好奇心に満ちた少年の心が、ピアノの音に乗って聞こえてくるようだ。



Posted by biwap at 06:13 │芸術と人間