› 近江大好きbiwap › 勝手に読む古事記 › 国譲りという出雲侵略

2014年07月04日

国譲りという出雲侵略

勝手に読む古事記・6
国譲りという出雲侵略
オオナムジすなわちオオクニヌシは、スサノオの言葉を受け、八十神を追い、国造りを始めた。そこへ海の彼方から船に乗った小さな神がやって来た。クエビコという知恵者の案山子(カカシ)の神が「小さな神はスクナビコナ」だと教えた。体こそ小さいが知恵があり、農耕技術・酒造り・医術などを教え、オオクニヌシの国造りを助けた。後にその役目を終えると粟の茎にはじかれて祖霊の住む常世国(トコヨノクニ)に去った。
国譲りという出雲侵略
地上が豊かに繁栄していくのを知ったアマテラスは突然、「葦原の中つ国」はわが子に治めさせると言い出した。一番手として、アメノホヒという神が派遣されたが、アメノホヒはオオクニヌシの家来なってしまう。そこで、天若日子(アメノワカヒコ)が地上に送られた。ところが天若日子はオオクニヌシの娘と結ばれ、婿になってしまう。業を煮やしたアマテラスは、雉の神を派遣するが、射殺され、その矢は高天原まで届いた。そこで正邪の判断をするその矢を下界に投げ下ろすと、天若日子の胸に突き刺さり死んでしまった。
国譲りという出雲侵略
武勇にすぐれたタケミカヅチ(建御雷)が、切り札として派遣される。タケミカヅチは長い剣を海原に突き立てて剣の上に座り、オオクニヌシに国譲りを求めた。オオクニヌシは息子のコトシロヌシ(事代主)を交渉の場に出す。従順なコトシロヌシはすぐに譲歩した。しかし、もう一人の息子タケミナカタ(建御名方)が勇猛な姿で登場する。豪胆な性格のタケミナカタは、大きな岩を担ぎ上げ、力競べをタケミカヅチに挑んだ。
国譲りという出雲侵略
しかし、タケミナカタはあっさり負けてしまい東の方へ逃げ出した。信濃国の諏訪でタケミカヅチに捕まり、ひれ伏して臣従を誓う。タケミナカタは、諏訪大社の祭神として祀られる。タケミカヅチは出雲に戻り、オオクニヌシに再度会見し、降伏の意に間違いないか確認した。オオクニヌシは服従を誓い、巨大な神殿を建て自分を祀ることを要求する。これが出雲大社の起源である。2000年に出雲大社の境内から巨大な柱が発掘された。高さ48m(16階建ビルに匹敵)、階段の長さが100m以上に及ぶ壮大な神殿が建っていたことが明らかになった。古事記では重要な位置を占める出雲神話。しかし、日本書紀ではその大半が抜けているのである。