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2014年05月13日

約束したはずなのに

道草百人一首・その22
「契りきな かたみに袖をしぼりつつ 末の松山 波越さじとは」(清原元輔)【42番】

約束したはずなのに

 清少納言の父・清原元輔と言うべきか、清原元輔の娘・清少納言と言うべきか。清少納言の「清」は、歌人の家「清原」から来ている。清原元輔は、歌人としてはかなりの存在。そのため、父の名を汚してはいけないと、娘・清少納言は、歌を詠むことに大きなプレッシャーを感じていた。
 「契りきな」の歌は、代作とも言われるが、もしかして実体験なのか。「二人涙に濡れ、約束したはずなのに・・・決して心変わりはしないと誓ったはず、末の松山を波が越すことなどあり得ないように」。まるで「僕の愛の方が素敵なのに」と未練たらたらの男の執念。でも、こんな歌でも作って昇華させれば、きっとストーカーにはならないのだろう。



Posted by biwap at 06:32 │道草百人一首