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2014年03月14日

甘くない「あまちゃん」

道草百人一首・その18 
「来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや 藻塩の 身もこがれつつ」(権中納言定家)【97番】
甘くない「あまちゃん」

 夕凪時に焼いている藻塩の様に、来ぬ人を想い、恋い焦がれている。主人公は、海産物を採る海人娘人(アマオトメ)。少女のやるせない想いを、抒情的に歌い上げている。
 作者は、天才歌人藤原定家。定家は、「新古今和歌集」の選者の一人。そして、この「百人一首」の撰者。
 天才肌で神経質。彼の才能を見出し、抜擢してくれた後鳥羽上皇とも衝突。しかし、これが逆に幸いする。承久の乱で、流罪となった後鳥羽。逆に定家は返り咲き、歌壇の頂点に君臨。晩年、強烈な無常観の中に生きた定家。何らかの理由と目的で、「百人一首」を作る。



Posted by biwap at 06:39 │道草百人一首