
2015年08月14日
自衛隊に入ろう

「敗戦」を「終戦」と言い換えた時から、ボタンの掛け違えが始まった。戦争の加害性にはけっして触れないNHK。時代錯誤の軍拡・抑止論。ついには「戦争に行きたくないというのは極端に利己的だ」という若い国会議員まで現れる始末。しかも、滋賀4区とは情けない。勝手に解釈を変えてしまう方が悪いのだ。私たちの憲法は、「戦争はしない」「軍隊は持たない」と明確に謳(ウタ)っている。それが私たちの誇りなのだ。一昔前の、防衛庁も絶賛(誤解?)したという幻の名曲を聞いてみよう。若かったあの頃。今も少しも変っていない。時代だけがいたずらに右旋回していった。
https://youtu.be/XFRkB3mpqD8
2015年08月12日
無責任な再稼働

「原発がなければ社会生活は成り立たない」と言われた。「人の命を危険にさらしていいのか」と脅かされた。「原発ゼロは無責任だ」と罵倒された。「原発ゼロ」なんてありえないものだと洗脳されてきた。ありえないはずの現実が実現した「原発ゼロ」。それを終わらせることの歴史的責任はとてつもなく重い。
首相は原子力規制委員会がOKを出したので再稼働するという。ところが原子力規制委員会は一言も安全だとは言っていない。一定の基準をクリアーしただけで、あとは知らん。責任は到底責任能力のない電力会社にあると言う。事故が起これば、また「想定外でした」と涼しい顔をするのだろうか。責任者の顔が見えない。いや、ほっかむりしているあの男だ。
もう騙されない。それなのに指をくわえて見ているしかないのか。「消費税率アップを延期する。だから国民に信を問う責任がある」と訳のわからない理屈で莫大な税金を使い総選挙。多数を与えたばかりにこの有様だ。ルソーは言った「人民が自由なのは選挙の時だけで、選挙が終われば奴隷になる」。
誰が意思決定し、その責任は誰が負うのか? 核廃棄物の処理もできないのに、これ以上、核のゴミを増やす責任は? 再生可能エネルギーへの道を結果的に潰してしまう責任は? 万一、事故が発生した時の責任は? 未来への責任の重さの自覚もなく、無責任な再稼働が進んでいこうとしている。
2015年08月11日
伊吹のさしも草
道草百人一首・その59
「かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを」(藤原実方朝臣)【51番】

「かくとだに」の「かく」は「こんなに恋い慕っているとさえ」の意味。「えやはいふ」は「言うことができない」。「いぶき」は掛詞で、「言ふ」と「伊吹山」が掛けられている。「さしも草」はお灸に使われるもぐさのこと。「さしも=これほどまでとは」「知らじな=ご存知ないでしょう」と技巧が散りばめられていく。「こんなにあなたを恋い慕っているとさえ言うことができないのだから、伊吹山のさしも草のように燃える私の恋心を、あなたは知るはずもないのでしょうね」。なかなか情熱的だ。
藤原実方は、百人一首26番、貞信公・忠平のひ孫。女性にモテモテ。清少納言との恋の噂も。ある時、貴族たちが連れだって花見に出かけた。にわか雨が降り出し大騒ぎに。藤原実方、少しも慌てず「濡れるのなら花の下で」と気取ったが、藤原行成が「バカな奴だ」となじったため喧嘩となる。結局、狼藉の罪で陸奥守に左遷され任地で死去。享年40歳。というわけで、賀茂川の橋の下には実方の亡霊が出現することとなる。
「かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを」(藤原実方朝臣)【51番】

「かくとだに」の「かく」は「こんなに恋い慕っているとさえ」の意味。「えやはいふ」は「言うことができない」。「いぶき」は掛詞で、「言ふ」と「伊吹山」が掛けられている。「さしも草」はお灸に使われるもぐさのこと。「さしも=これほどまでとは」「知らじな=ご存知ないでしょう」と技巧が散りばめられていく。「こんなにあなたを恋い慕っているとさえ言うことができないのだから、伊吹山のさしも草のように燃える私の恋心を、あなたは知るはずもないのでしょうね」。なかなか情熱的だ。
藤原実方は、百人一首26番、貞信公・忠平のひ孫。女性にモテモテ。清少納言との恋の噂も。ある時、貴族たちが連れだって花見に出かけた。にわか雨が降り出し大騒ぎに。藤原実方、少しも慌てず「濡れるのなら花の下で」と気取ったが、藤原行成が「バカな奴だ」となじったため喧嘩となる。結局、狼藉の罪で陸奥守に左遷され任地で死去。享年40歳。というわけで、賀茂川の橋の下には実方の亡霊が出現することとなる。
2015年08月09日
伊吹山を登ろう













「近江史を歩く・51」は、「神の宿る伊吹山」
http://biwap.raindrop.jp/details1061.html (PC版)
http://biwap.raindrop.jp/sp/details1061.html (スマホ版)
2015年08月08日
短き夏の夜
道草百人一首・その58
「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ」(清原深養父)【36番】

清原深養父(キヨハラノフカヤブ)。百人一首42番・清原元輔(モトスケ)の祖父。つまり、清少納言の曽祖父にあたる。紀貫之とも親しく、晩年は京都・大原に補陀落寺を建てて住んでいた。
夏の夜は本当に短い。まだ宵のうちだと思っていたら、もう明けてしまった。これだけ明けるのが早いと、月もとうてい西の山までたどりついて休むことはできないだろう。今、空のどの辺にいるのやら。雲のどこかに宿をとって、ぐっすり休んでいるのだろうか?
夏らしいさっぱりとした歌だ。ひ孫の清少納言も「枕草子」の中でこう言っている。「夏はよる。月の頃はさらなり」。しみじみとした秋の夜長。でも、きっぱりと短き夏の夜はまた格別なものがある。
「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ」(清原深養父)【36番】

清原深養父(キヨハラノフカヤブ)。百人一首42番・清原元輔(モトスケ)の祖父。つまり、清少納言の曽祖父にあたる。紀貫之とも親しく、晩年は京都・大原に補陀落寺を建てて住んでいた。
夏の夜は本当に短い。まだ宵のうちだと思っていたら、もう明けてしまった。これだけ明けるのが早いと、月もとうてい西の山までたどりついて休むことはできないだろう。今、空のどの辺にいるのやら。雲のどこかに宿をとって、ぐっすり休んでいるのだろうか?
夏らしいさっぱりとした歌だ。ひ孫の清少納言も「枕草子」の中でこう言っている。「夏はよる。月の頃はさらなり」。しみじみとした秋の夜長。でも、きっぱりと短き夏の夜はまた格別なものがある。
2015年08月06日
ナルシスとエコー

妖精・エコーは、ゼウスの浮気を手助けしたことから妻・ヘラの怒りをかう。エコーは、相手の話しの最後の一言を繰り返す以外は話せなくなる。そんなエコーが恋したのが美少年ナルキッソス。自惚れが強く高慢。言い寄ってくる女たちに見向きもしない。自分の気持ちを伝えられないエコー。ナルキッソスはエコーを冷たく突き放す。悲しみに暮れるエコー。想いを断ち切れない彼女はやせ細り、ついには声だけになってしまう。森の奥から響く「こだま」。
ナルキッソスは、神によって罰を与えられる。ある日、狩りの途中で泉に喉を潤しにやってきたナルキッソスは、泉に映った自分に恋をしてしまう。決して報われることのない恋。彼は次第にやつれ、やがて水辺で息絶えた。ナルキッソスが死んだあと、そこには水仙の花が咲いていた。水仙は“Narcissus”。花言葉は、「うぬぼれ」「自己愛」。

2015年08月04日
エロスの悪戯

偶然出会ったエロス(キューピッド)を馬鹿にしたことから、エロスはアポロへ仕返しをする。黄金の矢(愛情を芽生えさせる矢)でアポロを撃ち、鉛の矢(愛情を拒絶させる矢)でダフネを射た。アポロはダフネを奪おうと追いかけ、ダフネは必死に逃げ続ける。河畔に追いつめられた時、ダフネは父に助けを求めた。追いつめたアポロがダフネの腕に触れかけた時、ダフネは月桂樹に身を変じた。アポロは愕然とするが、ダフネは蘇らない。アポロは、月桂樹の枝を切り、それを輪にして冠を作った。アポロの霊木として崇められた月桂樹。月桂冠は栄光のシンボルとなる。




2015年08月02日
畑の野菜・ゴマ

黒ゴマの種をまいてみた。灼熱の太陽の下、ピンク色の可憐な花が咲き始めた。ゴマ(胡麻)は、ゴマ科ゴマ属の一年草。アフリカ大陸原産。暑さは好むが寒さに弱い。肥料は少なくても栽培できる。
ゴマは滋養強壮・老化防止の効用があるとされている。鉄分は、貧血からくる倦怠感・体力の低下を改善。オレイン酸は悪玉コレステロールを減らし便秘予防の作用もある。ゴマリグナンはアンチエイジングに効果があるとされる。年齢と共に、活性酸素に対する抵抗力は弱くなり、肝機能は低下していく。しかし、ゴマリグナンは肝臓に直接働きかけられる唯一の抗酸化物質と言われている。
日本で消費されるゴマの99.9%は輸入。ゴマは、日当たりがよく年中温暖、しかも広大な土地が必要である。収穫にも手間がかかる。日本ではあまり栽培されていない。ミャンマー・インド・中国。この三カ国で世界総生産量の約50パーセントを占めている。
種をまいてから1か月くらい。花は茎の下から上に向かって順番に咲いていく。花と同じく、実も下から順番に熟してくる。さやの色が緑から茶色っぽく変わってくると収穫時。よく乾燥させ、さやが割れてきたら中のゴマを取る。果たしてゴマ・プロジェクトは成功するだろうか?
「胡麻の油と百姓は絞れば絞るほど出るものなり」。江戸幕府の農民収奪を表した言葉。大衆課税で搾り取られたお金は一体何に使われるのか? 誤魔化されない様に。