2019年09月17日
白クマは何処へ行った

新聞もテレビも本当のことを伝えていないのではないか。日々、そんな思いが強くなっていく。狂信的な宗教戦争の惨禍の中、モンテーニュはこう言った。「Que sais-je?(私は何を知っているのだろうか?)」
「週刊朝日」広瀬隆氏の文を資料保存のため抜粋してみた。もう一度、問いかけてみたい。私たちはいったい何を知っているのだろうか?
<昨年は、西日本の大水害と関西を襲った大型台風と北海道の大地震に苦しめられ、同時に夏の猛暑を体験した。そこでテレビ報道に出演するコメンテイターたちは、出てくる人間ほぼ全員が、「2018年の夏は異常な猛暑だった。災害の原因は地球温暖化である」と口にした。彼ら彼女らは、「地球温暖化は、もはや議論する必要もない」とまで、言いたそうであった。ところが彼ら彼女らは、ただの一人も「二酸化炭素(CO2)の放出によって地球の温暖化が加速している」という自分たちの簡単な主張を、科学的に実証しようとはしなかった。どうも日本人は、他人の噂話に惑わされやすく、子供でもわかる科学を議論することが苦手なようだ。
石油や石炭を燃やした時に発生するCO2によって地球が温暖化するという説を流布してきたのは、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)で、その名の通り、いかにも怪しげな政治集団である。このIPCCは、過去に人類が明らかにしてきた考古学、文化人類学、生物進化学、気象学、地質学、宇宙科学のすべてのデータをまったく無視して、根拠のない「疑似科学」を人類の頭にすり込んできた。
2015年までこのIPCC議長だったラジェンドラ・パチャウリは、アメリカ副大統領だったアル・ゴアと共にCO2温暖化説を煽って、ノーベル平和賞を受賞した人物である。CO2温暖化説が、ノーベル物理学賞に値する科学的真理ではなかったので、平和賞が与えられたのである。このパチャウリ前議長は、温室効果ガス(CO2)の排出権取引で莫大な利益を得る銀行の顧問をつとめ、この取引で多国籍企業とエネルギー業界が生み出す資金を、パチャウリ自身が理事長・所長をつとめる「エネルギー資源研究所」に振り込ませていたことが、2010年1月に発覚した。IPCCは、CO2を食い物にする詐欺グループだったのである。
実は、1988年にIPCCが設立された時、初代議長に就任したバート・ボリンが、「2020年には海水面が60~120メートルも上昇し、ロンドンもニューヨークも水没している」と予測して、CO2温暖化説を煽ったのだからたまげる。2020年とは、来年である。120メートルというのは、新幹線5輌分の長さを縦に立てた高さである。来年に東京オリンピックを開催している時に、天を見上げるほどの海水でロンドンもニューヨークも水没している、と信じるのは、もはや新興宗教である。テレビ報道に出演するコメンテイターたちは、「2018年の夏は異常に暑かった。地球温暖化が原因だろう」と、つい口にしたが、まさか彼らも、IPCCの詐欺師集団やCO2学説を信じる新興宗教のために、そのようなことを主張するほど愚かではあるまい。
実は、この問題を真剣に考えてきた賢明な読者であれば、1998年頃まで「温暖化、温暖化」と騒いでいた人類が、最近は「異常気象、異常気象」と言葉を変えてきていることに気づいているはずだ。IPCC集団が、なぜ表現を変えたかという理由は、科学的にはっきりしている。

このグラフのように、1998年をピークとして、それ以後10年間も地球の気温が上昇せず、むしろ温度が下がる期間が続いた。その間に、驚異的な経済成長を続ける中国でもインドでも、CO2の排出量が猛烈に増え続けて、地球の大気中のCO2濃度の最高値が毎年更新されていたのである。したがって、CO2が増加しても地球は温暖化しないことが、誰の目にも明らかとなった。CO2温暖化説は科学的に崩壊したのである。
気温上昇が続いた1998年まで「CO2地球温暖化説の誤り」に気づかない人間が多かったことは仕方ないにしても、2010年になってもその過ちを認めなかったので、現在のように虚構の地球科学が横行しているのである。
地球の気温が上昇していた1990年代には、NHKテレビがニュースの冒頭に「南極」の氷が崩れ落ちる映像を流して、「温暖化対策は待ったなし」と叫んでいた通り、「南極の氷が溶けて地球が水没する」という説は、地球温暖化の脅威を煽る目玉であった。ところが、現在では誰一人、南極を口にしない。どうしたわけなのか? それは、南極では2010年代に入って氷が溶けるどころか、逆に分厚い氷と大量の積雪に、南極観測隊が四苦八苦する寒い年が続いた上、「南極の氷が崩れ落ちるのは、分厚い氷の重さのためであり、太古から続いてきた自然現象だから、人類によるCO2の排出とは無関係なんだよ」と指摘されて恥をかいたからである。

IPCCがCO2による温暖化を強調するために「第3次評価報告書(2001年1月)」に明示し、全世界を欺いてきた有名な「ホッケースティックの図」(IPCCが主張してきたグラフの青線→で示される地球の温度変化)は、実際にあった“中世の温暖期”もその後の“小氷期”も抜けている「誤りだらけのデータ」であることが暴露されて、IPCC第4次評価報告書(2007年11月17日)から削除されてしまった。つまり「1900年代の20世紀に入って、工業界のCO2放出量が急増したので、地球が急激に温暖化した」と主張していたIPCCは、「ホッケースティックの図」が真っ赤な嘘だと認めたのである。
あれだけ大騒ぎした以上、「CO2による気温上昇論」が嘘だと知られては立つ瀬がないので、「温暖化」ではなく、山火事や台風、竜巻などの自然現象を一緒くたにまとめて「異常気象が広がっている」という情緒論で、自然の脅威として煽れば、大衆なんてすぐにだませるという戦略に切り換えたところ、共犯者のマスメディアがそれに乗ったのである。
こうなると、なぜ人類はCO2を悪者扱いするようになったか、というIPCC説の起源を知りたくなるはずだ。誰がこの詐欺を仕組んだか? アメリカの原子力産業は、1979年にスリーマイル島原発事故を起こす前、1976年にGE(ゼネラル・エレクトリック)のトップエンジニアが原発の大事故の危険性を訴えて辞職し、反原発運動をスタートしていたので、アメリカ政府の原子力委員会傘下のオークリッジ国立研究所の前所長だったアルヴィン・ワインバーグが、原発推進にとって起死回生の策を探し始めた。
ちょうど同年、スクリップス海洋研究所のキーリングらが、ハワイなどにおいてCO2が漸増している測定値を発表したので、ワインバーグがこれに飛びつき、地球の気候変動の要因のうち、複雑すぎて科学的に計算できるはずがない温暖化現象だけを取り出して誇大に喧伝すれば、原子力の危険性を忘れさせることが可能だと気づいて、原発推進に利用し始めたのが、ことの起源であった。つまり「CO2温暖化論」を原子力産業の手先として育てあげ、無理を通して道理を引っ込ませようとしたのが動機だったので、今になってボロボロと大嘘が暴かれているのだ。
IPCCがCO2を悪者にした結果、最近「低炭素社会」という言葉を使うアホが増えている。植物は炭酸ガス(CO2)を吸収して炭水化物の糖分を合成し、水を分解しながら酸素を大気中に供給してくれ、動物がその酸素を吸って生きているって、中学で習わなかった? 炭素からエネルギーを得ることによって貴い生命をこの世に授かった生物である人間が、台所のガスコンロで炭素を燃やして料理しながら、生命の素である炭素を自ら否定するような言葉を使うことは、間違ってる!
誤解のないように申し上げておくが、私は地球が温暖化することを否定しているのではない。CO2が地球を温暖化させるという説が間違っていると言っているのだ。科学者が知る通り、温暖化および寒冷化は、地球上で太古の昔からたびたびくりかえされてきた自然現象であって、日本では、考古学で「縄文海進」として知られるように、人間が石油も石炭も使わなかったほぼ6000年前の縄文時代に、東京湾の海が栃木県あたりまで広がるほど海面水位が高く、現在よりはるかに温暖化していたことは、関東地方各地の縄文人の貝塚の遺跡から明らかになっている。
数千年前には、今よりはるかに地球が温暖化して、海面水位は5メートルも高かった。したがってこのような「地球の気候変動」と「工業化によるCO2排出」を関連づけることが嘘であることは、はっきりしている。地球に気候変動を起こす要因は数々あって、エルニーニョやラニーニャもあればミランコヴィッチ・サイクルもあり、火山の大噴火もあり、私の著書にそれらを列挙しておいたが、主に太陽の活動のような宇宙の変化が、気候変動を起こしていることは明らかである。したがって、気候変動は、人間には手の届かない現象なのである。
IPCCは気候変動を研究する科学の専門家ではないので、独自の調査研究は実施せずに、温暖化説に合致する研究成果だけを集めているグループで、背後には原子力産業があって、彼らがCO2温暖化説を悪用して原発建設を進めてきた。その結果、2000年にIPCCが公表した100年後の気温シミュレーションは、高度コンピューターを使った採用データの全員が「気温上昇」を予測していたが、わずか10年後の予測で全員が外れて、気温が低下してしまったのだ。
科学的な反証データを次々と突きつけられたIPCCは、地球の気温が上昇しているように見せなければならないため、大量の温度データを改竄・捏造し始めた。ところが10年前の2009年に、その改竄・捏造が暴露されてしまった。このグラフのように温度データに理由もなく手を加えて、気温は上昇していると主張する悪質きわまりない例が世界中で山のように見つかったのだ。以来、私はIPCCが発表する気温データをまったく信用せず、使わなくなったが、クライメート(気候)をもじって呼ばれたこの世界的なクライメートゲート・スキャンダルによって、「IPCCは詐欺師」と呼ばれるようになった。ところが日本では、驚くべきことに、すべての大新聞とテレビ局がこの巨大スキャンダルをまったく報道しなかった。なぜなら自分たち報道界が、IPCCの片棒をかついできた共犯者だったからだ。

「CO2が気候変動に無関係である」ことがはっきりしているので、先進国で使用されている“最新の石炭火力”が発電法としてコストが最も安く、利用を推奨できる。現在のヨーロッパ、アメリカなど先進国の石炭火力発電は、中国やインドのように粉塵巻きあげ、大気を汚染する老朽化した石炭火力発電とはまるで違うのである。日本では横浜市磯子にあるJパワー(電源開発)の石炭火力発電所のように、煙も出ないほど世界一クリーンになっていることを、ほとんどの日本人が知らずに、石炭火力に昔のような偏見を持っている。横浜を訪ねてごらんなさい。ここまでクリーンになった高度な石炭の燃焼技術は広く活用するべきである。
日本では、原発をゼロにするのに、自然エネルギーも不要だから、あわてて普及させる必要はない。東日本大震災後、2013年9月15日に福井県の大飯原発が運転をストップしてから、2015年8月11日に鹿児島県の川内原発が再稼働されるまで、ほぼ2年間、真夏の猛暑期も、真冬の酷寒期も、「完全に原発ゼロ時代」を達成したのが日本であった。その2年間の電力を、どのようなエネルギーが供給してくれたかを、自ら大電力消費者であるテレビ報道界は、国民にしっかり伝えるべきである。

この表の通り、2014年度の原発はゼロ%で、自然エネルギーもゼロに等しい3・2%、つまりクリーンで資源量が豊富なガスと石炭と、少々の水力発電で日本全土の電力をほとんどまかなったのだ。10%近く石油が使われているが、これは工業界がガソリンやプラスチックなどに使った残りの重油を火力に使った廃物利用だから、実質的にはゼロ%とみなしてよい。この数字は、当てにならない「目標」ではなく、「実績」なのである。>
Posted by biwap at 23:30
│CO2温暖化説への懐疑