2016年09月27日
鳴くまで待ったホトトギス
道草百人一首・その90
「ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる」(後徳大寺左大臣)【81番】

ホトトギスが鳴いた方を眺めやれば、ホトトギスの姿は見えず、ただ明け方の月が淡く空に残っているばかりだった。それがどうしたと、ツッコミが入りそうなので少し補足。
ホトトギスは、3月から5月にかけて日本に渡ってくる。季節の訪れを象徴する鳥として「夏を告げる鳥」「時鳥」などと呼ばれる。雅を愛する平安貴族たちにとって、ウグイスのように詩的で魅力的なものだった。特に山の鳥の中で朝一番に鳴くといわれるホトトギスの第一声(初音)を聴くのは非常に典雅なこと。
夜を明かして待ち続けた。ホトトギスは動きが速く、こちらと思えばまたあちら、と移動する。「ホトトギスの初音だ」と振り返った瞬間、もうそこにはホトトギスはいなかった。夜明け前の月がぽっかり浮かんでいる情景がいっそう風雅だ。
後徳大寺左大臣(ゴトクダイジノサダイジン)。本名、藤原実定(フジワラノサネタダ)。百人一首の撰者、藤原定家のいとこ。祖父も徳大寺左大臣と称されたので、区別するため後徳大寺左大臣と呼ばれる。平安時代末期、平氏が栄えた頃の人。
ホトトギスの声を聴くためだけに徹夜するなんてのどかな情景だが、貴族の世はもう崩壊寸前だった。武士の世を告げる初音?
「ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる」(後徳大寺左大臣)【81番】

ホトトギスが鳴いた方を眺めやれば、ホトトギスの姿は見えず、ただ明け方の月が淡く空に残っているばかりだった。それがどうしたと、ツッコミが入りそうなので少し補足。
ホトトギスは、3月から5月にかけて日本に渡ってくる。季節の訪れを象徴する鳥として「夏を告げる鳥」「時鳥」などと呼ばれる。雅を愛する平安貴族たちにとって、ウグイスのように詩的で魅力的なものだった。特に山の鳥の中で朝一番に鳴くといわれるホトトギスの第一声(初音)を聴くのは非常に典雅なこと。
夜を明かして待ち続けた。ホトトギスは動きが速く、こちらと思えばまたあちら、と移動する。「ホトトギスの初音だ」と振り返った瞬間、もうそこにはホトトギスはいなかった。夜明け前の月がぽっかり浮かんでいる情景がいっそう風雅だ。
後徳大寺左大臣(ゴトクダイジノサダイジン)。本名、藤原実定(フジワラノサネタダ)。百人一首の撰者、藤原定家のいとこ。祖父も徳大寺左大臣と称されたので、区別するため後徳大寺左大臣と呼ばれる。平安時代末期、平氏が栄えた頃の人。
ホトトギスの声を聴くためだけに徹夜するなんてのどかな情景だが、貴族の世はもう崩壊寸前だった。武士の世を告げる初音?
Posted by biwap at 06:14
│道草百人一首