2013年12月19日
製パン王 キムラヤ
韓国ドラマでお馴染みの料理対決。今回はパンでした。そんな訳で、パンを作ってみたくなりました。それも、こだわりのアンパンを。その前に製パン王キム・タックならぬ、キムラヤのお話を。武士だった木村安兵衛は、明治維新後に失業し東京に出ます。ここでパンというものの存在を知った安兵衛は、妻のわずかな蓄えを元手に今の新橋駅あたりにパン屋「文英堂」を開きます(1869年)。成功間違いなし!と思ったのもつかの間、開店間もない「文英堂」は大火で全焼し、安兵衛一家は全てを失います。落ち込む心を振り切り、安兵衛はようやく銀座の煉瓦街に小さなお店を借ります。息子の英三郎とともに、商号を「木村屋」と変え、日夜パン作りに励みました。ところが、当時の日本にはパンを食べる習慣がありません。普通の西洋式パンは、ビールと同じ、ホップを用いたパン酵母で作られますが、安兵衛は日本酒酵母の麹を使って作りました。そして、この和風パンの中に、小豆あんを入れたのです。安兵衛は、このパンを「あんぱん」と名づけました。1874年に売り出したところ好評を博し、アンパンは全国的にブレークしていったそうです。アンパンこそ、日本文化を象徴しているものかもしれません。

Posted by biwap at 06:28
│歴史の部屋