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2022年03月08日

戦争屋の犬たち

戦争屋の犬たち

 現代の戦争は壮大な情報戦である。それはフェイクだというフェイクまで飛び交い、何が真実かを見分けることは容易ではない。私たちにできる事は、臆病なくらいに慎重に情報を精査し、自分の頭で考え抜くことしかない。ワイドショーの焚き付ける洗脳劇場に大切な正義感を消費させてはいけない。

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 少なくともほぼ全面一方向の情報シャワーには、慎重になった方が良い。バランスの為、メディアが報じない落ちこぼれ断片情報を並べてみる。
<ウクライナ保安庁が、第2の都市ハリコフで「ロシア軍が核施設を『核テロ』攻撃」と非難! ロシアはネオナチ民兵のアゾフ大隊の挑発行為だと非難!
 ロシアのウクライナ侵攻によって、米国の石油と天然ガスが「絶好調」!ロシア産資源を欧州から排除した上で、米国産ガス・石油の超高値での売り込みに大成功!
 米国がISテロリストをウクライナに派遣!? シリアの外務次官は「シリアのISテロリストとウクライナのネオナチは1つの司令塔で行動」と発言!
 第1回停戦交渉参加のウクライナ高官3名が「ロシアのスパイ」とされ銃殺、7日第3回停戦交渉の行方は?
 マリウポリではネオナチ民兵のアゾフ大隊が住民避難を妨害! マリウポリの断水は独立を求める「人民共和国」への飲料水を遮断するため!?
 ナチスが起こした犯罪「水晶の夜(クリスタル・ナハト)」再び!! ドイツでロシア語話者への犯罪行為が多発! 大使館には脅迫やヘイトメールの報告が数百件! ミュンヘンの領事館には真っ赤なペンキが!>

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 「アゾフ」とは何か。悪名高き「ウィキペディア(Wikipedia)」から引用してみよう。
<アゾフ連隊は、ウクライナ内務省管轄の準軍事組織である国家親衛隊に所属する部隊である。2014年5月の創設当初は義勇兵部隊であったものの、国家警備隊として機能するようになった。
 黒海北部にある内海のアゾフ海に近いドネツク州マリウポリに本部を置く。
 日本の公安調査庁によれば、2014年の親ロシア武装勢力によるドンバス占領を受けて「ウクライナの愛国者」を自称するネオナチ組織が結成した部隊である。
 装備の多くはウクライナ政府軍と同じであり、ウクライナの国内軍需産業や西側諸国の武器も見られる。イギリスやドイツの軍服が使用される場合もある。
 アゾフ大隊は、国境を越えた右翼過激派のネットワークの重要な拠点であるとされ、世界中の同志を訓練し、交流するために外国人戦闘員の募集と誘致を行なっている。2019年10月、アメリカの民主党の下院議員は、アゾフ大隊と他の2つの極右組織を米国国務省によって国外テロ組織として認定することを要求した。
 アゾフ連隊はナチス・ドイツの象徴であるハーケンクロイツの旗を掲げ、部隊章にはナチス親衛隊が用いた紋様「ヴォルフスアンゲル」を用いているという。>

戦争屋の犬たち

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 アゾフ大隊」とは、ウクライナの歴史に深く根付いている親ナチス、反ユダヤ、反ロシアのウクライナ極右民族主義者。2014年のウクライナ騒乱(親ロとされた大統領が追い落とされる)を機に台頭した極右民兵組織である。ウクライナだけでなく、欧米各国からネオナチ、極右、白人至上主義者らが加わり、ウクライナ東部のドンバス地方に押しかけ、ロシア系住民らに対して虐殺行為などを行ってきた。その後国防軍に編入。
 米国務省も規制対象にし、NATOも危険視しているヘイトグループ。プーチンが「ウクライナの非ナチ化」と言っているのは、まさにこれを指している。ところが、日本のメディアはその存在すら報じないどころか、「東部のロシア系住民虐殺はフェイクニュース」とさえ報じている。事実の確認ができないにせよ、それが十分に起こりうる状況であることは少し調べればわかることだ。それを一方的に「フェイク」と切り捨てる姿勢にうすら寒いものを感じてしまう。

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 今大切なことは、一刻も早く戦争を止めて、目の前で人が死んでいくことを防ぐことだ。そのためにも一方的な情報に踊らされるのではなく、その背景にある複雑なものをしっかりと理解しておかなければならない。
 残念ながら、この国の知識人や政治家からは語られなかった次のゴルバチョフの言葉を強く支持したい。
「2月24日に始まったウクライナでのロシアの軍事作戦に関連し、一刻も早い戦闘行為の停止と早急な平和交渉の開始が必要だと我々は表明する。世界には人間の命より大切なものはなく、あるはずもない。相互の尊重と、双方の利益の考慮に基づいた交渉と対話のみが、最も深刻な対立や問題を解決できる唯一の方法だ。我々は、交渉プロセスの再開に向けたあらゆる努力を支持する」