
2016年10月31日
台湾の脱原発

朝日新聞デジタル版から
<台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権が2025年に「原発ゼロ」にすることを決め、行政院(内閣)は、再生エネルギー事業への民間参画を促す電気事業法の改正案を閣議決定した。太陽光と風力発電を中心に再生エネの割合を20%まで高めることを目指す。東日本大震災後の反原発の民意を受けたもので、改正案は近く立法院(国会)で審議に入り、年内の可決を目指す。
世界的にはドイツが2022年までの原発全廃を決めるなど、欧州を中心に脱原発の動きがある。一方、増える電力需要に応えるため中国やインドが原発を増設させており、アジアでは台湾の取り組みは珍しい。
改正案は20日に閣議決定され、6~9年かけて発送電分離も行う。蔡総統は「改正は原発ゼロを進め、電源構成を転換する決意を示すもの」としている。
台湾では原発が発電容量の14・1%を占め、現在は第一~第三原発で計3基が稼働中。だが、東京電力福島第一原発の事故で台湾でも反原発の世論が高まり、原発ゼロを公約に5月に就任した蔡氏が政策のかじを切った。台湾も日本と同様に地震が多い。稼働中の全原発は25年までに40年の稼働期間満了となる。同法改正案では25年までに全原発停止と明記し、期間延長の道を閉ざす。
改正案では再生エネルギーの発電と売電事業をまず民間に開放。送電は公営企業の台湾電力が引き受ける。これまでは台湾電力が電力事業を基本的に独占してきたが、同社を発電会社と送売電会社に分割。再度法改正を行い、再生エネ以外の電力事業も将来開放する方針だ。>
台湾で脱原発を求める声が強くなったのは福島原発の事故から。蔡英文総統は脱原発を公約に大統領選を戦った。蔡英文総統は経済についても並々ならぬ関心を抱いている。それも大企業ではなく、中小企業を重視し、女性らしい細やかさで企業や工場を観察している。台湾という国の在り方は、民主化の進展とともに、とても興味深いものがある。
日本の凶暴な人たちを見ていると、「女性政治家」と一括りにするのはよくないような気がする。生活に密着したリベラルな市民派がもっともっと育ってほしいものだ。よその国を見下しているうちに、わが国の民主主義はとんでもなく後退しているのかもしれない。
Posted by biwap at 15:30