2016年03月10日
いのちとびわ湖を守る

大津地裁、山本義彦裁判長。2014年11月、関西電力大飯・高浜両原発の再稼働禁止仮処分を求めた住民の請求を却下している。その時の言葉、「原子力規制委員会がいたずらに早急に、再稼働を容認するとは考えがたい」。
関西電力。原発が動かせないなら、電気料金値下げは先送りだ。この人たちの「頭の中」、いや「心の中」は一体どうなっているのだろう。
原子力規制委員会、「新基準は常に新しい知見を取り入れ、安全を追求していくことになっている」。菅官房長官、「世界最高水準の新基準に適合すると判断されたもので、再稼働を進める方針に変わりはない」。誰も自分の言葉で「安全」とは言っていない。
高浜町商工会、「再稼働で町経済への期待感が高まり将来設計をしようかという矢先で、失望感が大きい」。原発に依存しない地域振興の在り方こそが将来設計。
嘉田由紀子・前滋賀県知事、「近畿の命の水源・琵琶湖を抱え、暮らし、環境を守りたいという県民の思いが届いた」。隣県である滋賀の住民が訴訟を起こしたことの意味を、東京のメディアは理解していない。
明日は「3・11」。「原発事故」を「自然災害」という言葉で上書きしてはいけない。忘れてはいけないこと、責任を問わなければいけないことは何なのか。曖昧な言葉で思考停止する風土からは、もう「卒業」しなければならない。