2016年02月05日
CO2地球温暖化?

2009年11月24日、“The New York Times”。暖炉にくべているのは、アルバート・ゴアの著書「不都合な真実」。「不都合な真実」は、なぜ不都合だったのか。それは一週間前のこと。
2009年11月17日、イギリスのイーストアングリア大学にある気候研究ユニットのサーバーから、交信メール1073件と文書3800点がアメリカの複数のブログサイトに流出した。世界中が驚愕する「気温データの捏造」が発覚。ニクソン大統領が辞任に追い込まれた「ウォーターゲート事件」になぞらえ、「クライメートゲート事件」と呼ばれている。

上がホッケー・スティックと呼ばれるグラフ。グラフの形が、ホッケーのスティックに似ている。2001年1月、IPCC第3次評価報告書に掲載された。まさに危機感あふれる図だ。「20世紀温暖化説」が世界中のメディアを席捲した。IPCC第4次評価報告書ではさすがに削除されている。

IPCC第1次評価報告書にある図。これに手を加えてホッケー・スティックが出来上がった。
広瀬隆はこう語る。
<私はこの時、誤ったCO2仮説を信ずるヨーロッパ人、特にドイツの自然保護運動家達が、人類のエネルギー消費量削減を目指して具体的に取り組み、放射能を出す原発も徹底的に攻撃していたので、その言動に対して全く異論は無く、同じ目的地を目指して歩んでゆけると思い、CO2温暖化説が蔓延しても軽視してきた。その私の判断が、大間違いであった。ヒートアイランド、原発の放射能災害、発電所の温排水、砂漠化、野生生物危機、大気汚染、酸性雨、熱帯雨林の破壊、遺伝子組み換え食品、環境ホルモン、食品添加物、農薬、ダイオキシン汚染、増え続けるゴミ、大地震の脅威、戦争など、ありとあらゆる環境破壊と毒物生産を放任して、全て無実のCO2にその罪をなすり付け、人類が大規模な環境破壊に踏み出し始めた。>

世界中の情報を丹念に読み解き、ネットで独自の分析を配信している田中宇は次のように述べる。
<地表で測定した気温データから地球温暖化を主張している米英3機関のうち、英国のイーストアングリア大学の気候研究所(CRU)は、2009年に研究者たちが平均気温の上昇を歪曲していたことが暴露された「クライメートゲート」事件を起こしたことで知られている。この事件を機に、温暖化問題の歪曲が広く認知されて人為説の誇張が終わると思いきやそうならず、温暖化の歪曲はいまだに堂々と続けられている。
3機関はいずれも、NOAA傘下のGHCN(Global Historical Climate Network)という気温データベースを、唯一の世界の地表気温の元データとして使っている。GHCNが収録する気温の測定地点は以前、1万2千地点ほどあったが、温暖化問題が騒がれ出した1990年ごろを境に、6千地点以下に半減した。残った地点の多くは都市の周辺にあり、ヒートアイランド現象など温室効果ガス以外の要因で気温が上昇傾向にある地点が多い。温室効果ガスによる人為説を検証するには、都市化していない田舎の観測地点が多いほど良いが、GHCNのデータベースからは、まさに温室効果ガスが問題にされ出した時に、田舎の観測地点がたくさん削除された。田舎の観測地点の喪失を埋めるため、気温が田舎より最大で2度C高い都市周辺の観測データを田舎にも適用する手法がとられた。この操作(歪曲)を考慮するだけで、温室効果ガスの影響を全く考えなくても、1990年以来の世界の平均気温の測定値の上昇を説明できてしまう。
地表の気温観測でなく、人工衛星を使った大気温の推定値から気温の変化を研究している公的機関も米国に2つあるが、そちらのデータでは気温の上昇が起きていない。
地球温暖化問題は、科学でなく、国際政治の問題だ。科学の問題なら、気温データに粉飾的な調整を加えて横ばい(寒冷化)の傾向を温暖化に歪曲するのは犯罪だが、国際政治の問題なので、かなり暴露しても犯罪とみなされない。歪曲は、国際的な学界とマスコミのプロパガンダ機能を使って行われている。国際政治のプロパガンダ機能は、いったん走り出すと方向転換が難しい。米国は、同様のプロパガンダ機能を使って「大量破壊兵器」の濡れ衣をイラクやイランなどの敵国に対して相次いでかけ、後から濡れ衣が暴露されているが、濡れ衣をかけたことが犯罪とみなされず、いまだにイランには濡れ衣がかけられたままだ。>
古代ギリシア哲学では、「判断を留保すること」(suspension of judgment)を「エポケー」と言った。とりあえずカッコに入れておくことも必要なのだ。真理の追究は、しなやかに、したたかに、粘り強く。
Posted by biwap at 06:16
│CO2温暖化説への懐疑