「コロンブスの新大陸発見」。なぜ「新」で、なぜ「発見」なのか?そこにいた人たちは、「新」大陸から来たコロンブスを「発見」した。アイヌモシリとは、アイヌ語で「人間の大地」。北海道や樺太・千島列島などは、「アイヌモシリ」であった。奈良時代の日本地図は現在と大きくずれている。東北地方にも、大和政権の外側にいた人々がいた。蝦夷(エミシ)。平安時代中期頃からは「エゾ」と呼ばれる。12~13C頃、蝦夷は北方オホーツク文化と混じりながら、アイヌ文化を成立させる。度重なる和人の侵略に対し、コシャマインの乱(1457)やシャクシャインの乱(1669)などが起こる。「蝦夷地」と呼ばれていた土地は、日本の植民地として併合され「北海道」となる。アイヌ民族は、独自の言語や習慣を禁止され、住んでいる土地を奪われ、同化政策を受ける。「北海道<旧土人>保護法」が撤廃されたのは、わずか10数年前のこと。国際的には、先住民族として位置づけられている。視点を少しずらせば、見えてくるものがある。「単一民族国家」という幻想や、「日本固有の領土」などという非科学的な言辞を、相対化してみることも大切である。
Posted by biwap at 06:25
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