熊野古道を歩く

biwap

2016年01月19日 06:48



 多くの人々が切れ目なく参詣したことから「蟻の熊野詣」と呼ばれたほど。熊野三山への参詣は、1090年の白河上皇の熊野御幸をきっかけに頻繁化。江戸時代には、伊勢詣と並んで庶民の人気スポットであった。この参詣ルートが「熊野古道」。2004年には、ユネスコの世界遺産に登録。「道」が世界遺産として登録された例は稀有である。

 淀川河口の渡辺津から熊野三山までに100近くの熊野権現を祭祀した九十九王子があった。熊野古道と一口に言っても範囲は広く、伊勢路・紀伊路・小辺路(コヘチ)・中辺路(ナカヘチ)・大辺路(オオヘチ)と5つの道がある。田辺から熊野本宮に向かう中辺路、田辺から海岸線沿いに那智・新宮へ向かう大辺路、高野山から熊野本宮へ向かう小辺路が、世界遺産に登録された「熊野参詣道」。最も多くの参詣者が歩いたのが熊野参詣道・中辺路。その難行苦行の道のりを終え、最初にたどり着いたのが熊野本宮大社。


 6時半、滋賀県出発。紀伊路を高速道路で走り、中辺路に沿った快適な道路を飛ばすと、11時過ぎにはもう熊野本宮大社に到着。


 車を駐車場に置き、12時ちょうどの定期バスに乗り、終点・発心門王子へ。


 ここから車の置いてある熊野本宮大社まで「熊野古道」を歩いて戻って行く。休憩しながら約2時間半。いざ、出発。








 熊野川のほとりある大鳥居が見えた。熊野本宮の元々あった場所だ。なだらかな下り坂が続く。


 本宮に到着。



 かっての賑やかさや「蟻の熊野詣」の面影はない。死と再生の地「熊野」へ旅した数多の人々。その歴史の地層の上を、冬の汗ばむような日差しを受けながら、のんびりと歩いた。熊野に眠る何かが「ヤマト」のもっともっと奥深くに蠢(ウゴメ)いていた。


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