西行の月

biwap

2014年02月14日 06:26

道草百人一首・その14
「嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな」(西行法師)【86番】

 西行法師。俗名は佐藤義清(ノリキヨ)。鳥羽上皇に「北面の武士」として仕えていたが、23歳の時、家庭と職を捨て出家。嵯峨野のあたりに庵をかまえ、「西行」と号す。その後、陸奥や四国・中国などを旅し、漂泊の歌人と呼ばれる。
 「月が私に嘆けと言っているのか、いや、そうではない。月のせいだとばかりに流れる私の涙」。面白い表現だ。
 でも、西行と言うと、やはり「願わくば 花の下にて 春死なむ その如月(キサラギ)の 望月(モチヅキ)のころ」。でも、この歌は惹き込まれそうで、カルタ取りには不向きかも。というより、百人一首は、単純な名歌集ではないのだろう。
 四国の旅。讃岐国で西行は鬼と化した崇徳院の霊を慰めている。


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