憂し山
道草百人一首・その7
「わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり」(喜撰法師)【8番】
まるで他人事のように、自らの遁世生活を歌っている。「うぢ山」は、「憂し山」で、宇治山の別名は喜撰山。伝説的隠者喜撰法師。正体は不明。紀氏出身ではないか?紀名虎の息子ではないか?紀貫之の変名ではないか?様々な説がある。
「六歌仙」の一人。「六歌仙」は、藤原氏との政争に敗れ、怨みを残して亡くなっていった人々。惟喬親王に連なる怨霊なのではないかと考えられる。
ところで、「上喜撰」は宇治の高級茶のブランド名である。本来の銘柄名は喜撰で、喜撰法師に由来する。1853年、4隻の黒船が浦賀に来航。その時の狂歌が、「泰平の眠りをさます上喜撰 (蒸気船)たつた四杯で夜も寝られず」。
六歌仙については、
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