2016年01月11日
真夜中の孤独
道草百人一首・その68
「淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守」(源兼昌)【78番】

摂津国須磨。流謫の地。在原業平の兄、行平が流れ住んだ場所。その故実に基づいて創作されたのが、源氏物語「須磨の巻」。年老いた光源氏の退隠の場所となる。源氏はここで「友千鳥 もろ声に鳴く暁は ひとり寝覚の 床もたのもし」という歌を詠む。それを踏まえて作られたのが、百人一首のこの歌。
作者・源兼昌(ミナモトノカネマサ)。宇多源氏の系統。従五位下まで昇るが、その後、出家。多くの歌合せに出席し、「兼昌入道」と称す。実際に須磨の地でこの歌を詠んだのではなく、歌合せの「関路ノ千鳥」という題から創作したもの。
荒涼とした須磨。海向かいに見える淡路島から千鳥が渡ってくる。その寂しい鳴き声に、眠りを妨げられ目覚めてしまう。真夜中にひしひしと感じる自分の孤独な境遇。恐ろしいほどの寂廖感。千鳥の鳴き声が心を刺すようだ。
「淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守」(源兼昌)【78番】

摂津国須磨。流謫の地。在原業平の兄、行平が流れ住んだ場所。その故実に基づいて創作されたのが、源氏物語「須磨の巻」。年老いた光源氏の退隠の場所となる。源氏はここで「友千鳥 もろ声に鳴く暁は ひとり寝覚の 床もたのもし」という歌を詠む。それを踏まえて作られたのが、百人一首のこの歌。
作者・源兼昌(ミナモトノカネマサ)。宇多源氏の系統。従五位下まで昇るが、その後、出家。多くの歌合せに出席し、「兼昌入道」と称す。実際に須磨の地でこの歌を詠んだのではなく、歌合せの「関路ノ千鳥」という題から創作したもの。
荒涼とした須磨。海向かいに見える淡路島から千鳥が渡ってくる。その寂しい鳴き声に、眠りを妨げられ目覚めてしまう。真夜中にひしひしと感じる自分の孤独な境遇。恐ろしいほどの寂廖感。千鳥の鳴き声が心を刺すようだ。
Posted by biwap at 06:11
│道草百人一首