2015年11月30日
霧立のぼる
道草百人一首・その65
「村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ」(寂蓮法師)【87番】

秋は寂しい季節。夕暮れはメランコリックな時間。ましてや霧立ちのぼる幽玄さは、否が応でも人を感傷へと引きずり込んでしまう。まるで、長谷川等伯「松林図屏風」の世界。
寂蓮法師(ジャクレンホウシ)。俗名・藤原定長(サダナガ)。藤原俊成の甥で、俊成の養子となる。藤原俊成は、百人一首の撰者・藤原定家の父。寂蓮と定家とは兄弟になるのだが、俊成には複数の妻がいて、その妻それぞれに子供がいて、その上に養子まで。家族感覚は今の人間にはわからない。定長は、とにかく30歳過ぎに出家し寂蓮法師となり、全国を渡り歩いた後、嵯峨野に住んだとか。
宝塚歌劇団員の芸名は、当初、小倉百人一首が由来だった。天津乙女、小夜福子、冨士野高嶺、淡島千景、有馬稲子・・・。もちろん、「霧立のぼる」もいた。
「村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ」(寂蓮法師)【87番】

秋は寂しい季節。夕暮れはメランコリックな時間。ましてや霧立ちのぼる幽玄さは、否が応でも人を感傷へと引きずり込んでしまう。まるで、長谷川等伯「松林図屏風」の世界。
寂蓮法師(ジャクレンホウシ)。俗名・藤原定長(サダナガ)。藤原俊成の甥で、俊成の養子となる。藤原俊成は、百人一首の撰者・藤原定家の父。寂蓮と定家とは兄弟になるのだが、俊成には複数の妻がいて、その妻それぞれに子供がいて、その上に養子まで。家族感覚は今の人間にはわからない。定長は、とにかく30歳過ぎに出家し寂蓮法師となり、全国を渡り歩いた後、嵯峨野に住んだとか。
宝塚歌劇団員の芸名は、当初、小倉百人一首が由来だった。天津乙女、小夜福子、冨士野高嶺、淡島千景、有馬稲子・・・。もちろん、「霧立のぼる」もいた。
Posted by biwap at 08:45
│道草百人一首