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2015年11月26日

陰陽五行が宇宙を走る

陰陽五行が宇宙を走る

 古代中国。宇宙を陰陽2つの気によって説明した。陰陽の割合により、木(モク)、火(カ)、土(ド)、金(ゴン)、水(スイ)の5つの要素ができあがる。この5つの要素が循環することによって、万物が生成され自然界が構成される。これが陰陽五行説。
 木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ずるというのが「相生」。永遠の循環を示す。
 木は土に勝ち、土は水に勝ち、水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝つというのが「相剋」。下の図の通り。

陰陽五行が宇宙を走る

 上の五行と方位の関係図を補足してみよう。
 木=青・竜・春・東
 火=朱・雀・夏・南
 土=黄・帝・土用・中
 金=白・虎・秋・西
 水=玄(黒)・亀(武)・冬・北。
 ここから、「青春・朱夏・白秋・玄冬、青竜・朱雀・白虎・玄武」などの言葉が生まれる。風水思想もここから派生。

陰陽五行が宇宙を走る

 木火土金水には、兄弟(エト)のペアができる。
 木兄=きのえ(甲)、木弟=きのと(乙)、火兄=ひのえ(丙)、火弟=ひのと(丁)・・・。
 こんな風にしてできた「甲(キノエ)、乙(キノト)、丙(ヒノエ)、丁(ヒノト)、戊(ツチノエ)、己(ツチノト)、庚(カノエ)、辛(カノト)、壬(ミズノエ)、癸(ミズノト)」を「十干」と言う。
 古代中国では、日毎にこの10種類の太陽が順番に登るとされた。これに殷時代の月の名前であった「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の「十二支」がからみ、「十干十二支」となる。略して「干支(エト)」。
 10×12=120種類となりそうなのだが、「甲丙戊庚壬」は「陽」なので、同じく「陽」要素の「子寅辰午申戌」としかくっつかず、「乙丁己辛癸」は「陰」なので「陰」要素の「丑卯巳未酉亥」としかくっつかない。5×6+5×6=60すなわち60種類になる。

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 上の干支の順番で「年」を記す。「壬申の乱」「戊辰戦争」などでおなじみだ。甲子園球場は、1924年「甲子」の年に作られた。60年経って干支が一回りし、戻ってくるのが「還暦」。2016年は、上の図の33番目、丙申(ヒノエサル)の年である。

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 時間を十二支で表したのが上。12時は、まさに「正午」。草木も眠る「丑三つ時」。「丑」の刻を四つに分けたうちの三番目をいう。午前2時から2時半頃。お化けや幽霊が出てくる時刻である。

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 方角も十二支で。丑寅の方角は「鬼門」。丑の角に寅のパンツで「鬼」となる。ホンマかいな? ちょうど南北に走っているのが「子午」線。

陰陽五行が宇宙を走る

 陰陽思想に戻る。上のように陰と陽の構造式をつくる。
 一段だと、陰と陽の2種類。2段になると、「陽・陽」「陰・陽」「陽・陰」「陰・陰」の4種類になる。3段になると、「陽・陽・陽」「陰・陽・陽」・・・。
 つまり、2の3乗で8種類になる。これが「八卦」。世界の構造式ができあがる。当たるも八卦当たらぬも八卦。
 上の図で乾(ケン)は「陽・陽・陽」で「天」を表し、坤(コン)は「陰・陰・陰」で「地」を表す。「乾」か「坤」か、のるかそるかの大一番で、サイコロを投げることを「乾坤一擲(ケンコンイッテキ)」と言う。
 この国の国旗は、東洋思想そのものだ。

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