2015年04月22日
忍れど色に出て
道草百人一首・その54
「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」(平兼盛)【40番】

とかく忍ぶれど忍ぶれど、色に出てしまうものである。平兼盛は光孝天皇の子孫。臣籍に下り平氏を名乗る。村上天皇の内裏歌合で壬生忠見(ミブノタダミ) と競った時の歌。どちらも甲乙つけがたく判定は困難を極めた。ふとその時、天皇の口元が無意識に動いた。「しのぶれど・・」。敗れた壬生忠見はショックのあまり死んでしまったとか。
「恋愛」という言葉が作られたのは近代に入ってから。もともと「愛」は仏教用語で、「欲望にとらわれ執着する」という意味。「戀」はどうか。「戀」の上の部分は、左右に「糸」、真ん中に「言」がある。「言」とは、はっきりと裁断する明快な言葉のこと。しかし両端から「糸」につながれ、断ち切れずにからみつく。そんなもどかしい「心」が「戀」。やはり忍ぶれど色に出てしまうものなのだ。
「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」(平兼盛)【40番】

とかく忍ぶれど忍ぶれど、色に出てしまうものである。平兼盛は光孝天皇の子孫。臣籍に下り平氏を名乗る。村上天皇の内裏歌合で壬生忠見(ミブノタダミ) と競った時の歌。どちらも甲乙つけがたく判定は困難を極めた。ふとその時、天皇の口元が無意識に動いた。「しのぶれど・・」。敗れた壬生忠見はショックのあまり死んでしまったとか。
「恋愛」という言葉が作られたのは近代に入ってから。もともと「愛」は仏教用語で、「欲望にとらわれ執着する」という意味。「戀」はどうか。「戀」の上の部分は、左右に「糸」、真ん中に「言」がある。「言」とは、はっきりと裁断する明快な言葉のこと。しかし両端から「糸」につながれ、断ち切れずにからみつく。そんなもどかしい「心」が「戀」。やはり忍ぶれど色に出てしまうものなのだ。
Posted by biwap at 06:25
│道草百人一首