2015年03月27日
妖しげな無常
道草百人一首・その51
「花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり」(入道前太政大臣)【96番】

「桜の花を誘って吹き散らす嵐の日の庭。桜の花びらがまるで雪のように降っている。でも雪ではない。そうだこの身なのだ。古(フ)りゆくのは」
桜の花に漂う妖(アヤ)しげな無常感。そこに立ち尽くし、老いを嘆じる老人の姿。西園寺公経(サイオンジキンツネ)。妻は源頼朝の妹婿・一条能保(ヨシヤス)の娘。後鳥羽院らが鎌倉幕府転覆を企てた承久の乱。公経は幕府に情報を漏らし、乱を失敗させる。その功績で太政大臣に昇進。京都北山に西園寺という別荘を造った。これが後に足利義満の「金閣」となる。
歌を指導した三代将軍・実朝も暗殺される激動期。公経は外孫の藤原頼経を鎌倉幕府の第四代将軍に据えた。いわゆる摂家将軍である。時代は下がり、1869年。公経の子孫・西園寺公望は、京都御所内の私邸に「私塾立命館」を創設。立命館大学の名の由来となる。
「花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり」(入道前太政大臣)【96番】

「桜の花を誘って吹き散らす嵐の日の庭。桜の花びらがまるで雪のように降っている。でも雪ではない。そうだこの身なのだ。古(フ)りゆくのは」
桜の花に漂う妖(アヤ)しげな無常感。そこに立ち尽くし、老いを嘆じる老人の姿。西園寺公経(サイオンジキンツネ)。妻は源頼朝の妹婿・一条能保(ヨシヤス)の娘。後鳥羽院らが鎌倉幕府転覆を企てた承久の乱。公経は幕府に情報を漏らし、乱を失敗させる。その功績で太政大臣に昇進。京都北山に西園寺という別荘を造った。これが後に足利義満の「金閣」となる。
歌を指導した三代将軍・実朝も暗殺される激動期。公経は外孫の藤原頼経を鎌倉幕府の第四代将軍に据えた。いわゆる摂家将軍である。時代は下がり、1869年。公経の子孫・西園寺公望は、京都御所内の私邸に「私塾立命館」を創設。立命館大学の名の由来となる。
Posted by biwap at 06:16
│道草百人一首