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2015年01月31日

密会の味

道草百人一首・その41 
「名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな」(三条右大臣)【25番】

密会の味

 「逢坂」と「逢う」、「さねかずら」と「小寝(サネ)」、「来る」と「繰る」などの掛詞や縁語がちりばめられている。恋しい人に逢える「逢坂山」、一緒にひと夜を過ごせる「小寝葛(サネカズラ)」。そのつるを繰るように、誰にも知られずあなたを訪ねる方法があればいいのに。三条右大臣こと内大臣・藤原定方(サダカタ)。邸宅が三条坊門小路の北面にあったため、三条右大臣と呼ばれる。紫式部とその夫・藤原宣孝はともに藤原定方の曾孫にあたる。また、紫式部が仕えた一条天皇中宮彰子も定方の子孫。定方の墓は京都市山科・勧修寺にあり、子孫は「勧修寺流」と呼ばれる。サネカズラ(実葛)の果実は、漢方薬の五味子(チョウセンゴミシ)の代わりに使うこともある。韓国で飲んだ五味子茶(オミチャジャ)。甘味・酸味・塩辛い味・苦味・辛味が含まれ、それぞれがそれに対応する脾・肝・腎・心・肺の機能を調和させる。滋養・強壮・疲労回復に優れた効果があるらしい。 少々、脱線。