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2014年12月27日

小町ご一緒に

道草百人一首・その39
「吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ」(文屋康秀)【22番】

小町ご一緒に

 山から秋風が吹くと、たちまち秋の草木がしおれはじめる。なるほど、だから山風のことを「嵐(荒らし)」と言うのか。荒涼とした嵐なのに、軽妙な機知を感じる。文屋康秀(フンヤノヤスヒデ)は、下級官僚だが六歌仙の一人として有名。三河掾に任命され三河国に下る時、小野小町を任地へ誘ったそうだ。「一緒に来てくれないか」と誘う康秀に対し、小町は「わびぬれば 身を浮草の 根を絶えて 誘う水あらば いなむとぞ思ふ(今は落ちぶれてしまった私、この身を浮き草として根を断ち切り、誘い流してくれる水があるのなら、ついて行こうと思います)」と答えている。はたして、小野小町はついていったのか?