2014年12月02日
颯爽とした強さ
道草百人一首・その36
「難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや」(伊勢)【19番】

「難波潟の芦の、節と節との間が短いように、ほんの短い間さえあなたに逢うこともなく、このまま一生過ごしてゆけと言うのですか」。女性の哀切と思いきや、「過ぐしてよとや」の逆ギレに思わずたじろぐ。「せめて手紙を見たよとだけでも返事をしておくれ」と言い寄る男に、「見た」と一言書いて送り返す伊勢。ツヨー!
紀貫之と並び称される歌人であり恋多き女性であった。藤原仲平、宇多天皇、さらに宇多天皇の皇子・敦慶親王と結ばれるなど奔放な恋の遍歴。鋭い感性と激情は、颯爽とした現代女性を彷彿させる。父親の藤原継蔭が伊勢守だったことから「伊勢」と呼ばれる。一個の人間として、自分の名前さえ持ちえなかった、時代の制約なのだろう。
「難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや」(伊勢)【19番】

「難波潟の芦の、節と節との間が短いように、ほんの短い間さえあなたに逢うこともなく、このまま一生過ごしてゆけと言うのですか」。女性の哀切と思いきや、「過ぐしてよとや」の逆ギレに思わずたじろぐ。「せめて手紙を見たよとだけでも返事をしておくれ」と言い寄る男に、「見た」と一言書いて送り返す伊勢。ツヨー!
紀貫之と並び称される歌人であり恋多き女性であった。藤原仲平、宇多天皇、さらに宇多天皇の皇子・敦慶親王と結ばれるなど奔放な恋の遍歴。鋭い感性と激情は、颯爽とした現代女性を彷彿させる。父親の藤原継蔭が伊勢守だったことから「伊勢」と呼ばれる。一個の人間として、自分の名前さえ持ちえなかった、時代の制約なのだろう。
Posted by biwap at 06:28
│道草百人一首