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2014年02月10日

璋子に仕えた堀河

道草百人一首・その13
「長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は ものをこそ思へ」(待賢門院堀河)【80番】
璋子に仕えた堀河

 待賢門院璋子(タマコ)は、白河院の養女。白河は息子の鳥羽に璋子を嫁がせたが、璋子のお腹には白河の子が身籠っていた。産まれ落ちたのが崇徳。白河院死去後、後ろ盾を失った璋子は、次第に美福門院得子(ナリコ)に「妻」の座を奪われていく。そして、鳥羽に抗議し出家。共に出家したのが待賢門院璋子に仕えていた堀河である。
 一夜を共に過ごした後、「いつまでも末長くあなたのことが好きですよ」と男から来る「後朝(キヌギヌ)の歌」。「不安で仕方ないのです」と返す恋のテクニック。乱れた黒髪が官能的。西行が璋子と禁断の恋仲だったという伝承は、彼が堀河と親しかったことによるものだろう。写真は大河ドラマ「平清盛」の堀河。