自分の人生を決めるのは自分
ワイドショーの草分けとなった「木島則夫モーニングショー」のサブ司会を務めていたのが栗原玲児さん。その妻が栗原はるみさんだったと知ったのはつい最近。栗原玲児さんは2019年に死去。
「残りの人生は二人でのんびりしようと決めていたのに、それも叶わなくて…」
「自分に残された時間を考えながらこれまでの人生を見つめ直したときに、やってこなかったことがまだまだたくさんあると気づいたんです」
残された人生の貴重な時間を、なるべく無駄にしたくない。栗原はるみさんはそんな思いから、「100のやりたいこと」をリストアップした。
以下、「FRaU」編集部のインタビュー記事から抜粋引用する。
「パソコンを習う、韓国語の勉強、刺繍はすでにはじめています。ギターももうすぐ始めようと思っているところ。それに、今までお世話になった陶芸家さんに会いに行って、きちんとお礼を言いたいですね。今だからもう一度お願いして、その方たちと一緒に新しい器を作ってみたい。そうやってやり残したことがないようにしていきたい。『最後まで楽しそうだったね』と言われたいんです。そのためにリストに書いてあることをひとつずつやっていきたいです」
「例えば私が初めてギターに挑戦する姿を見ることで、読者の方になにかをスタートしてもらえたらいいな、と。私は毎日はいていてもいいくらいジーンズが好きなんですが、同じようにまずはお気に入りのジーンズを探してみるのもいいですよね。もちろん料理をするのでもいいし、野菜を育ててみるのでもいい。自分が興味をもったことをひとつひとつやってみるだけで、人生は変わると思っています」
「最初に決めたのは、自宅の庭やリビングの狭い空間で楽しむことを伝えていくこと。その空間の中で私の日常が伝えられたらと漠然と思ってはじめました。やってみて毎日決まった時間に投稿することも大事だな、と。一人になってから、朝起きるのが切なくなってしまったんです。でも、まず朝起きたらインスタをアップする、というのが、いつの間にかひとつの心の糧になっていました。私と同じように悲しく切ない思いをしている人がいっぱいいて、インスタに毎朝優しいコメントをくれるんですよ。お一人お一人にお返事できないのが心苦しいのですが、それを読むことで元気をもらっているんです」
「楽しく生きるヒントね……。もしかしたら、毎日の習慣を自分自身で決めているからかもしれません。毎朝5時に起きて、韓国語の勉強、そして本を読んだり音楽を聴いたり。音楽もただ聴くのではなく、『人生の100曲』を選ぶつもりで聴くんです。そして昼間は仕事をして、夜は片付けと、自分のための時間を作って、自分が楽しくなるようにしています。こうしてやりたいことは自分で決める、ということを楽しくやっているのがいいんじゃないかな」
「やりたいな、と思ったことは続けるつもりでやらないと。やり続けることって辛抱や努力、それに我慢強さが必要ですよね。自分のためだと思って続けなければ何事も達成できないのではないかな、と思うんです」
「私が料理の撮影をはじめた頃はスタイリストさんが器を決める時代。それまではボウルに盛りたいのにお皿が用意されていたり、その逆だったりと、料理の仕上がりが自分の意図とまったく違うものになってしまうことが多かったんです。全部自分が選んだ器で撮影したい、と思って作ったのが『ごちそうさまが、ききたくて。』でした。この本が受け入れられたのは料理だけでなく、器の使い方が新鮮だったのかもしれません。なんでも自分がやりたい、と思ったことをきちんとやっていくことが大切なんだ、と思いました」
「今までの人生がどんなによい時間だったとしても、今がよくなければ今までのいいこともなかったことになってしまいます。自分でいい人生だったと思えるように、自分の人生を決めるのは、自分しかいない。すべては自分の責任なんですよね。『子どもが小さいから』『夫が嫌がるから』という人もいますが、なにかを始めるのも続けるのも、そしてやめるのも、自分次第なんだと思います」